大分県竹田市、人口約2万人。新幹線も空港もないこの城下町で、高校生がNoCode × AIで地域課題を解決するアプリを作っている——と聞いて、驚く人は多いと思います。でも、実際に2024年から2年続いている取り組みです。
1. “NoCode勉強会”が始まるまで。
テクスト株式会社は、大分県のDXコーディネーターとして、竹田市の人材育成事業に伴走しています。最初は女性・学生・シニアを対象としたIT人材育成。そこに大分県立竹田高校のIT同好会から「自分たちも学びたい」と声が上がり、NoCode勉強会が始まりました。
最初の課題はシンプルなTo-Doアプリ。Bubble・STUDIO・Glideといったツールを触ってもらい、「コードを1行も書かずにアプリが動く」体験から入りました。
2. 変わる瞬間は、“自分の問題”を扱ったとき。
学校や町のなかで「ちょっと不便」を感じる場面をリストアップし、そのなかから各自がアプリ化するテーマを選んでもらいました。出てきたアイデアは——
- 部活動の出欠管理アプリ(紙で回してた)
- 文化祭の混雑状況リアルタイム表示
- 市内の飲食店レビュー(観光客向け)
- 通学路の危険箇所マップ(安全教育向け)
自分の生活圏にある課題を自分で解決する——このとき、生徒の表情が明らかに変わります。「作らされている」から「作りたいから作っている」への転換。これがNoCodeの最大の価値だと感じます。
3. AIが“発想の壁”を壊す。
2025年からは、ChatGPTやClaudeといった生成AIも学習に組み込みました。生徒が「こんなアプリを作りたい」と言うと、AIが即座にデータ構造・UI案・実装手順を提示してくれる。そのたたき台をNoCodeツールで組み上げていく流れです。
従来の教育では「作りたい → 難しい → 諦める」だったところが、「作りたい → AIに聞く → NoCodeで試す → 動く」という短いループに変わりました。“できない”を経験する前に、“できた”を経験する。これが子どもたちの自己効力感を大きく伸ばしています。
4. キャリアの選択肢が広がる。
取り組みを始めて2年、同好会メンバーのうち複数名が「プログラミングやデザインの分野に進学したい」と明確に進路を描くようになりました。地方の高校生にとって、IT分野は“遠い世界”になりがちです。NoCode × AIは、その距離を一気に縮める道具になり得ます。
“コードが書けない”はもう、何かを始めない理由にならない。地方の子どもが最先端に届くための、民主化のテクノロジーが揃ってきた。
5. これからの広げ方。
2026年は、玖珠町での小中学生向けプログラム「くす未来部 Web開発部」や、新潟県小千谷市の高校生NoCode勉強会にも展開していきます。各地の教育関係者・自治体の方で関心があれば、ぜひご相談ください。
大分県竹田市のIT人材育成事業、関連の取り組みは姉妹都市・友好都市×地方創生およびWorksでも紹介しています。
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