AIが書いた記事に出典が付いていても、確認が終わったとは限りません。URLが実在するか、書かれている内容が主張を支えるか、現在も適用できるかを確かめる必要があります。
ファクトチェックでは、記事全体に「正しいか」と尋ねるより、確認できる主張へ分解します。文章の読みやすさの修正とは分けて行うと、見落としを減らせます。
主張を一つずつ取り出す
架空の原稿「このサービスは無料で利用でき、全プランで自動投稿に対応しています」には、無料であることと、全プランで特定機能を使えることの二つの主張があります。
料金と機能は別の公式ページに書かれているかもしれません。文全体を一つの出典で確認済みにせず、条件ごとに照合します。
| 主張の種類 | 優先する確認先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 料金・利用条件 | 提供元の現行案内 | プラン・地域・期間の違い |
| 製品機能 | 公式ドキュメント | 対象環境と提供状態 |
| 調査数値 | 元の調査・報告書 | 対象、期間、分母、単位 |
| 自社実績 | 公開を認めた記録 | 担当範囲と成果の根拠 |
出典の存在と支持を分ける
リンクが開いても、関連する話題があるだけでは根拠になりません。「一部の利用者」と書かれた資料を「全ての利用者」と広げていないか、試行段階の機能を正式提供と書いていないかを確認します。
同じ主張を別のAIへ尋ねて一致したとしても、一次資料での確認の代わりにはしません。AIは確認候補の抽出や整理に使い、根拠を実際に読みます。
確認表を作る指示
あなたは原稿の事実確認を準備する編集担当です。原稿内の主張を一つずつ抽出してください。
出力:主張/事実・意見・提案・架空例の区分/必要な確認先/照合条件/修正候補
出典の存在と、その出典が主張を支えるかを別に確認できる欄を作ります。
未確認を正しいと判定せず、URLや出典名を推測で作らないでください。
この表は確認作業の準備です。出典を読んだ後に、確認済み、修正、削除、追加確認という状態を人が付けます。
確認できないときの直し方
根拠を見つけられない数字は削るか、確認できた範囲へ説明を狭めます。自社の提案であるなら「進め方の一例」と明示し、一般的な効果として断定しません。
架空の計算例は、仮定と計算式を示します。顧客の実績のような書き方や、根拠のない削減率を加えないようにします。
最後に、公開する版を確認する
確認後に文章が書き換わると、元の確認がそのまま適用できないことがあります。最終版の数値、条件、出典をもう一度照合し、確認日を残します。
Googleの生成AIコンテンツの案内も、正確さ、品質、関連性を重視するよう示しています。Googleの公式案内
記事制作全体の中で確認工程を置く方法はAIで記事を作成するガイドで説明しています。
主張を一文ずつ検査する記録例
架空の原稿に「導入した全企業が30%削減」と書かれているとします。出典が一社の試行で、削減対象も下書き時間だけなら、全企業や全作業へ一般化できません。
| 確認欄 | 残す内容 |
|---|---|
| 主張 | 誰について、何が、どの条件で起きたか |
| 根拠 | 一次資料の該当箇所と公表日 |
| 差分 | 原稿が対象・期間・確度を広げていないか |
| 対応 | 条件を戻す、削除する、追加取材する |
同じ誤りを複数のAIが一致して述べても、独立した一次根拠にはなりません。リンクの存在と、その内容が主張を支えることを別々に確認します。
主張・一次出典・採否を一行で管理する確認票
原稿から確認できる主張を抜き出し、一文に複数の条件があれば行を分けます。出典が開けることと、主張を支えていることは別の欄で判断してください。
主張ID・原稿の版・該当箇所:
主張:誰/何について、何が、どの条件で言えるか
区分:事実/意見/提案/架空例
一次出典の名称・URLまたは社内資料ID:
公表日・更新日・適用期間:
実際に読んだ箇所と、その要点:
出典が開けたか:確認済み/未確認
主張を支えるか:支持/条件付き支持/不支持/判断保留
本文との違い:対象/期間/単位/確度/提供状態
対応:採用/条件を戻す/削除/追加確認
確認日・確認担当・修正後の版:
架空の例で「全プランで自動投稿できる」という原稿に対し、現行の公式案内が「特定プランで招待利用」と説明していたら、対象プランと提供状態が違います。「出典あり」として通さず、条件を戻すか、その記事で扱わない判断をします。
一次資料同士で内容が違う場合はどうしますか?
更新日だけで選ばず、対象製品・地域・適用期間・提供状態を照合します。違いを解消できなければ、提供元や資料管理者への確認事項として残します。自社の推測で価格や機能を確定しません。
確認できなかった主張を消すと、記事が薄くなりませんか?
根拠のない成果を残すより、確認できた作業手順や記入例を示します。見出しが約束する答えまで失われる場合は、本文だけでなく見出し・タイトルも扱える範囲へ見直します。構成時点での確認は素材対応表、実績に関する確認は導入事例の根拠整理につなげます。
事実確認に時間がかかる場合は、確認する主張の種類と現在の資料管理を整理して記事制作の確認工程を相談できます。