商談後の追客で迷うのは、「何と書くか」だけではありません。相手が何を確認しているのか、自社は何を約束したのか、いつ連絡する話だったのかが分からないと、次の連絡を決めにくくなります。
AIを使う前に商談メモを整理し、次の行動の候補を作ります。目的は、同じ催促文を繰り返すことではなく、商談で残った確認事項を進めることです。
商談メモに残す5項目
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 相手の目的 | 解決したい仕事と判断の基準 |
| 確認済みの条件 | 対象・時期・予算などの発言 |
| 未確認の条件 | 承認者・費用・利用資料など |
| 双方の宿題 | 自社と先方が用意するもの |
| 次の接点 | 合意した連絡日・方法。なければ未定 |
「興味がありそう」といった感触は、相手の発言と分けて記録します。AIが見込み度の高そうな文章を作っても、それを受注意向の証拠にはしません。
架空の商談メモから、次の行動を選ぶ
相手の目的:提案準備で毎回資料を探す作業を見直したい。
確認済み:営業担当2名が試行の候補。
未確認:利用可能な社内資料、社内承認者、開始時期。
当社の宿題:資料の選び方を説明する。
先方の宿題:共有できそうな資料を確認する。
次の接点:先方が資料を確認後に連絡する予定。日付は未定。
この記録は説明用の架空例。
この状態で、導入開始日の確約を求めるメールを作ると、商談の段階と合いません。まず自社の宿題を実行し、資料の選び方を伝える連絡を候補にします。相手が答えやすいよう、確認したいことは一度に増やしすぎないようにします。
AIには、文面の前に判断材料を出してもらう
以下の商談メモから、次の連絡の準備をしてください。
1. 確認済みの事実と、担当者の仮説を分ける。
2. 自社・先方それぞれの未完了の宿題を挙げる。
3. 次の行動の候補を、根拠とともに示す。
4. 連絡する場合の目的と質問を整理し、下書きを作る。
返信期限や割引、導入実績を入力にないまま追加しない。
連絡日・方法の合意があれば尊重し、不明なら未定と記す。
AIが提案した行動をそのまま実行する前に、直近のメールや担当者の記録を確認します。商談メモの後に返答があったり、別の担当者が連絡していたりする場合があるためです。
相手の状況によって、連絡の目的を変える
| 現在の状況 | 次の行動の候補 |
|---|---|
| 自社が資料送付を約束した | まず資料を整えて約束を果たす |
| 相手の社内確認を待っている | 合意した日程を確認し、判断材料の不足がないか考える |
| 比較の観点が分からない | 対象範囲・確認体制・費用のどこを確かめたいか尋ねる |
| 当面の検討中止を伝えられた | 意思を記録し、再連絡の約束がある場合はその条件に従う |
例えば上の架空例なら、「資料の種類は、相談メモ・現在のサービス説明・使用可能な事例の3つです。最初は共有可能なものだけで構いません」と案内できます。機密資料を確認なく送ってもらう文面にはしないようにします。
送信後は、次回使える記録に戻す
連絡した内容・相手の返答・新たに決まったことを、既存の案件記録へ残します。AI用の別台帳だけを増やすと、どちらが最新か分かりにくくなります。次の連絡では正本の記録と最新のやり取りを参照してください。
確認する指標も、送信数だけでなく、未確認事項が解消したか、次の打ち合わせや提案に進んだかを分けます。提案前に必要な資料は提案準備の3つの資料、会議直後の文面はフォローメールの作成例で確認できます。
提案後のフォローメールは、残った確認を一つ進める
次は架空の文例です。資料の選び方を案内する約束があり、相手の確認後に次の相談へ進む場面を想定しています。実際の送付先・本文・添付は、送信前に担当者が確認します。
件名:提案内容の補足と、確認する資料について
先日はご提案の時間をいただき、ありがとうございました。ご相談に出た提案準備の流れについて、最初に確認する資料の種類をまとめました。
現在のサービス説明、共有可能な過去の提案の構成、資料を探す際に困る場面のメモがあれば、対象を絞る材料になります。顧客情報を含む資料は、そのまま送らず共有可能な範囲からご相談ください。
社内で確認できる資料が分かりましたら、その種類だけ教えていただけますでしょうか。
相手が確認中なのに、理由のない返信期限や別の面談依頼を追加しないようにします。料金の説明待ちなら料金の条件、社内承認待ちなら判断材料というように、残っている宿題に文面を合わせます。返答がない場合の再連絡は、合意した日程と最新の履歴を確かめてから判断します。
自社の運用に合わせて整理したい場合は、現在の作業と確認したい点を挙げてAI活用の進め方を相談できます。