AIに表を渡して分析を頼む前に、一行が何を表し、各列が何を意味するかを確認します。同じ「売上」でも、受注額、請求額、入金額では答えが変わります。列名だけで意味を推測させないことが準備の出発点です。
最初に残すデータ定義
| 項目 | 確認例 |
|---|---|
| 一行の単位 | 一案件、一請求、一明細のどれか |
| 識別子 | 案件IDと顧客IDを区別する |
| 数値の単位 | 円・千円、税込・税抜をそろえる |
| 日付 | 契約日、請求日、入金日を分ける |
| 欠損 | 空欄、未確認、対象外を定義する |
IDの先頭ゼロを数値化で消すと、元のデータへ戻れなくなる場合があります。意味のある識別子は文字列として維持します。日付の形式をそろえる際も、元がどの地域・時刻の情報かを確認します。
空欄とゼロをまとめない
金額が空欄なら、未入力なのか、未確定なのかを確認します。自動的にゼロへ変えると、未確認の案件を実績ゼロとして集計することになります。必要な情報が不足している行は、保留リストへ分けて残します。
重複も同様です。同じ社名の行が複数あるだけで削除せず、一社の複数案件か、表記揺れか、二重登録かを識別子と元資料で調べます。AIによる名寄せ案は候補として扱います。
変更前後の件数と合計を照合する
原本を残し、加工済みデータと変更記録を別に保存します。入力行数、除外行数、保留行数、採用行数を照合し、金額の合計が変わった場合は理由を説明できるようにします。
AIに渡すのは必要な列に絞ります。集計に不要なメールアドレスや自由記述を削り、試行は架空データで行ってください。加工後の表をきれいに見せることより、元の意味と対応が保たれていることを確認します。
変換できない行を、捨てずに保留する
架空の6行を整える場合、結果が5行になった理由を説明できる状態にします。行番号だけでは並べ替えで追えなくなるため、作業用の元行IDを持たせます。
| 元行ID | 入力の状態 | 処理方針 |
|---|---|---|
| R01 | 会社名の全角・半角が混在 | 確認済みの表記ルールで変換 |
| R02 | 日付が2026/9/1 | 規定の形式へ変換 |
| R03 | 金額が空欄 | 欠損のまま残す。0にしない |
| R04 | R01と会社名が同じ | 別取引の可能性があるため残す |
| R05 | 数量が「十」 | 対象列で許す変換か確認して実施 |
| R06 | 日付が9/31 | 存在しない日付として保留 |
この例は「受け入れ5行+保留1行=元の6行」です。実務では項目ごとの必須条件により、R03なども保留になります。元データ、変換ルール、変換後、保留理由を残し、件数と主要な合計を比較します。AIがもっともらしい日付や金額を補う設定にしないことが、後の集計を守ります。
整理したい表の列名と一行の意味を用意して、業務データの整理を相談してください。初回は機密を含まない見本で、確認する工程を決められます。