月次レポートをAIで作るときは、先に集計を確定し、その数値が何を表すかを伝えます。元データの欠損や期間の違いを残したまま文章にすると、もっともらしい増減理由が付くことがあります。
期間と比較対象をそろえる
対象月、締め日、一行の単位、除外条件を記録します。前月と当月で営業日数や対象拠点が変わった場合は、その条件も添えます。請求額と入金額、問い合わせと受注は同じ実績として扱いません。
| レポートの欄 | 入れる内容 |
|---|---|
| 実績 | 出典がある確定値 |
| 比較 | 同じ定義で計算した増減 |
| 確認した事実 | 施策開始、対象変更などの記録 |
| 要因の仮説 | 根拠と、次に確かめること |
| 次の判断 | 継続・修正の候補 |
原因を数値だけから断定させない
例えば問い合わせが増えても、その月に記事を出したことだけで、記事が原因とは言えません。流入元、該当ページ、実際の受付内容を確認していない場合は、可能性として記載します。
AIへは「集計値を変更せず、確認した事実と要因仮説を別の見出しにする。入力にない理由を確定しない。出典と未確認事項を残す」と依頼します。グラフを作る場合は単位、期間、軸、欠損の扱いを表とそろえてください。
更新時に検算する場所を固定する
元のファイルと取得日時を保存し、総数・合計・対象期間を毎回照合します。後日データを差し替える場合は、変更日と修正した数値を残し、古い版と混ざらないようにします。
完成前には、数字が原表と一致するか、仮説が断定へ変わっていないか、次の判断に必要な情報があるかを担当者が確認します。作業時間を測るときも、生成だけでなく確認・修正を含めます。AIの効果測定ガイドに記録例があります。
増減の事実と、その理由を別欄にする
次の数字は説明用です。売上・相談件数などの実績ではありません。
| 項目 | 前月 | 当月 | 書けること | まだ書けないこと |
|---|---|---|---|---|
| 処理件数 | 200件 | 240件 | 40件増、前月比20%増 | AI導入だけが増加原因という断定 |
| 差し戻し | 10件 | 12件 | 件数は2件増。件数を上の母数で割るなら両月5% | 品質が悪化したという断定 |
| 新しい受付区分 | 0件 | 5件 | 5件増 | 0で割る前月比増加率 |
| 未確定項目 | 確認中 | 8件 | 前月値が未確認 | 前月を0としての比較 |
増加率は(当月−前月)÷前月で計算し、前月が0なら別の説明にします。AIへ計算と文章の両方を一度に丸投げせず、集計担当が確認した値と定義を渡して説明案を作ります。
理由を書く場合は、受付区分の変更、営業日数、対象部署、集計締めの違いなどを確認します。「施策実施後に増えた」は時系列の事実であって、その施策だけが原因という証明ではありません。報告の末尾に、確認できた理由、残る仮説、次月に調べることを分けて残します。
現在の報告項目と機密のない数値見本から、定期レポートの作業改善を相談できます。