この記事は、AIを使って提案の選択肢を比較表へ整理する方法を扱います。AI製品そのものの性能ランキングではありません。比較軸、必須条件、根拠をそろえてから表にします。
複数社の提案をAIで比較するときは、まず同じ仕事を見積もっているかを確認します。安い案には資料整理が含まれず、高い案には導入後の調整まで含まれている、といった違いがあるためです。
AIには、勝ち負けを決めさせる前に、比較できる条件と不足情報を整理させます。確認できない項目を低評価や高評価へ勝手に変えないことが基本です。
比較の条件をそろえる
| 項目 | 見る内容 |
|---|---|
| 対象範囲 | 業務数、部署、利用者、資料の量 |
| 成果物 | 原稿、設定、画面、運用手順など |
| 費用 | 初期、継続、外部サービス、追加作業 |
| 自社の作業 | 資料準備、判断、確認、運用 |
| 日程 | 作業期間と自社の確認期間 |
| 継続条件 | 保守、引継ぎ、変更時の相談方法 |
見積もりの名称が同じでも、中身が一致するとは限りません。項目の定義を先に書くと、曖昧な比較を減らせます。
「記載なし」を独立した状態にする
架空の比較で、A社は利用者向け説明を含むと明記し、B社は説明の有無を書いていないとします。B社を「説明なし」と断定せず、「未確認」と記録します。
| 比較項目 | A社の記載 | B社の記載 | 参照資料 | 条件の違い | 確認質問 |
|---|---|---|---|---|---|
| 資料整理 | 標準範囲に含む | 自社で準備 | 架空A提案書 p.2/架空B提案書 p.3 | 整理する担当が異なる | B案では自社がどの資料をどこまで準備しますか。 |
| 利用者への説明 | 1回と記載 | 記載なし(要確認) | 架空A提案書 p.3/架空B提案書 p.3〜4を確認、記載なし | B案の有無・回数・費用が未確認 | B案に説明は含まれますか。回数と追加費用の条件は何ですか。 |
| 追加修正 | 別途見積 | 月内の定例で相談 | 架空A提案書 p.4/架空B提案書 p.4 | 両案とも実施できる作業範囲を要確認 | 定例での相談と実作業の範囲はどこまでですか。 |
この表と提案書名・ページ番号はすべて説明用の架空例です。実在の会社への評価や、AIを実行した結果ではありません。実務では元の提案書の該当箇所へ戻り、記載内容とページを人が照合してください。
数字の点数より先に、必須条件を置く
合計点を作る前に、必要な情報を扱える環境、必要な納品物、確認できる担当者など、外せない条件を確かめます。必須条件が満たせない案を、価格が安いから採用する比較にはしません。
重み付きの点数を使う場合も、重みは自社の優先事項から決めます。AIが根拠なく「機能40%、価格30%」と置いた数字を、客観的な基準として扱わないようにします。
根拠付き比較表を作る指示
あなたは提案条件の比較担当です。各提案書を、共通の比較項目へ整理してください。
出力:比較項目/各社の記載内容/参照ページ/条件の違い/確認質問
金額は対象範囲と期間を添えて並べ、記載のない欄は未確認としてください。
総合順位を先に付けず、依頼側の判断が必要な条件を最後に整理してください。
AIが示した参照ページは、人が実際の提案書で確かめます。表の体裁が整っていても、数字の単位や税区分、期間が違っていないかを確認します。
選定理由を短く記録する
最終判断では「安かった」だけでなく、自社の条件に合う範囲と、受け入れる制約を残します。たとえば「資料整理は自社で行い、連携実装と引継ぎを依頼する」と記録すれば、導入後の担当分担につながります。AI支援会社の選び方も合わせて確認してください。
空欄を埋める前に、比較できる条件かを見る
架空のA案が「資料整理から引継ぎまで」、B案が「設定のみ」の場合、総額を一列で比べる前に同じ範囲へ合わせます。価格が低いという理由だけで、B案の方が同じ価値を安く提供すると説明しないようにします。
AIには「値を補完せず、比較不能なセルに理由を書く。相手の提案書の該当箇所を添える」と依頼します。重みを付けた点数を使う場合は、意思決定者が重みを決め、機密保護や必須機能の未確認を合計点で相殺しない運用にしてください。
比較する項目そのものが決まらないときは、依頼したい作業と判断に迷う条件を挙げてAI導入の比較・検討を相談できます。