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GUIDE 56 / ルール・運用

AIに渡すデータの匿名化・マスキング|名前以外に確認する情報

AIへ入力する情報のマスキングを、置換例と確認表で解説。氏名を消しても識別できる情報、仮名の対応表、出力からの復元を確認する手順を紹介します。

制作にAIを使用。具体例・計算例は説明用です。公開日:2026-09-20

顧客の名前を「A社」に変えても、案件の詳細から相手が分かることがあります。入力データの加工は、氏名の一括置換だけで終わらせず、AIへ頼む仕事に必要な情報を選ぶところから始めます。

この記事でいう匿名化・マスキングは入力前の実務上の加工を指します。法令上の匿名加工情報などの要件を満たすと判定するものではありません。

残す情報を、欲しい出力から決める

提案の構成を作りたい場合、担当者の電話番号やメールアドレスは通常その構成の判断材料になりません。まず削除し、業務の課題、対象、制約など必要な条件を残します。

元の情報の例 加工を検討する方法
氏名、メールアドレス 役割名へ置換、不要なら削除
社名、固有の商品名 一般的な業種・商品区分へ置換
ごく少数の案件しかない事情 細かさを下げるか、利用を保留
金額、人数、日付 正確な値が必要か確認し、不要なら幅へ変更
ファイル名、コメント、変更履歴 本文と別に確認

対応表を入力資料に戻さない

「A社=実際の社名」という対応表を作る場合、その表を同じAIの会話へ添付すると加工の目的が失われます。保管場所と参照できる人を分けてください。自由記述には置換対象に登録していない固有情報が残りやすいため、機械処理後の確認が必要です。

加工で意味が変わることもあります。日付をすべて同じ文字へ置き換えると、締切と実施日の前後関係が消えます。必要な関係を残しながら情報を減らせない場合は、架空の題材で出力形式だけを試します。

元データと加工済みデータを区別する

作業票には、利用目的、削除した項目、置換方法、確認者、加工済みファイルの版を残します。出力を元の顧客向け資料へ戻すときも、人が照合します。AIが仮の名前から本当の情報を推測していないかも確認してください。

氏名を消したから安全だと判断せず、組合せによる識別と、入力先の契約・管理条件を一緒に確かめます。社内利用ルールの確認表を基に、加工してよい資料と、そもそも入力しない資料を分けてください。

氏名の置換だけで、十分かを確認する

次はすべて架空の例です。「A社の山田さん、9月3日の唯一の大型案件、契約額987万円」を「A社の担当者」と変えても、日付・案件規模・金額から対象を推測できる場合があります。作業に必要な情報だけを残すことが先です。

目的 残す情報の例 省く・粗くする候補
メールの言い回しを整える 相談内容と文体 会社名、氏名、個別金額
進捗の分類を考える 工程、課題、仮の案件ID 正確な日付、希少な属性
数値の計算を確かめる 検証用に作った数値 実データそのもの

置換前後の対応表が必要なら、AIへ渡す本文と同じ場所へ入れず、閲覧者と保管期間を決めます。生成結果にも元の情報や推測できる組み合わせが出ないか確認してください。この置換だけで法令上の匿名加工情報等に該当するとは判断できません。外部提供や機微なデータでは、社内の担当者へ確認します。

入力したい資料の種類が決まっていれば、実データを送る前に概要だけでAIの試行方法を相談できます。

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