見積書の点検でAIを使う場合、文章の読み取りと数値の検算を分けます。AIが「問題ありません」と答えても、金額や対象範囲を元の条件と照合しなければ確認は終わりません。
見積書を条件表へ分ける
| 確認項目 | 見るところ |
|---|---|
| 数量と単位 | 人、件、月などが依頼条件と一致するか |
| 単価 | 現行価格・個別合意と一致するか |
| 合計 | 数量と単価、割引、税の計算 |
| 期間 | 月額・初期費用・契約総額の区別 |
| 対象範囲 | 提案書と見積書で含む仕事が同じか |
| 別料金 | 追加開発、外部ツール、超過分など |
架空の例として、月額費用を三ヶ月分計上するのか、三ヶ月総額が示されているのかで支払額は変わります。期間の説明を読まずに、金額の大小だけで比較しないようにします。
不明点を質問へ変える
AIには「確定値を変更せず、記載箇所を添え、条件が不明な項目を質問として返す」と依頼します。「運用支援込み」と書かれていても、時間数や対応範囲が不明なら推測で埋めません。
検算は表計算などで行い、明細から合計へ確認します。税の扱いや端数処理は見積条件に従い、特定のルールを勝手に追加しないでください。一般の料金相場として、自社の一プランの金額を使うこともしません。
提案書と見積書の前提を照合する
提案書では三つの業務を対象としているのに、見積書では一業務になっていないかを確認します。納品物、受入条件、社内で用意する資料、対象外も並べると、金額以外の確認ができます。
点検記録には、対象ファイルの版、確認項目、根拠箇所、差異、質問先、解消状況を残します。原稿を直した後は最終版で再確認してください。見積もり前の整理にはAI導入支援会社の比較ガイドも使えます。
明細の計算と、契約範囲を別々に確かめる
以下は計算を確認するための架空の税抜明細です。税率や端数処理の決定例ではありません。
| 項目 | 単価 | 数量 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 初期設定 | 20,000円 | 1式 | 20,000円 |
| 月次支援 | 8,000円 | 3か月 | 24,000円 |
| 資料整理 | 1,500円 | 4件 | 6,000円 |
| 合計 | 50,000円 |
この明細で月次支援の説明が「3か月総額8,000円」なら、数量3を掛ける根拠と食い違います。どちらかをAIに選ばせず、見積もりの作成者へ確認します。計算が合っていても、資料整理4件に何が含まれるか、超過時の扱い、支援の対応時間は別の確認事項です。
差異は「明細の計算」「条件の食い違い」「記載不足」に分けます。承認前の確認案で金額を黙って直さず、変更理由を示し、作成者が確定した最終版で再検算してください。
見積作成で手戻りが多い場合は、扱う項目を機密のない見本にして、確認業務のAI活用を相談してください。