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GUIDE 76 / ルール・運用

AIエージェントの権限設計|下書き・送信・削除を分ける確認表

AIエージェントの権限を、読み取り・保存・送信・削除に分ける設計例。承認版との照合、実行時の認可、二重実行や結果不明を扱う確認表を紹介します。

制作にAIを使用。具体例・計算例は説明用です。公開日:2026-09-20

AIに業務を任せる範囲を決めるときは、「自動化してよい」という一文を、個々の操作へ分けます。資料を読む、文面を作る、共有フォルダへ保存する、顧客へ送るという操作では、必要な確認が異なります。

OWASPは、AIに過剰な機能、権限、自律性を与えることをExcessive Agencyのリスクとして整理しています。OWASPの説明

操作ごとに許可範囲を決める

操作 導入時に決めること 承認時に見るもの
読み取り 対象の資料・期間・利用者 取得範囲
下書き保存 保存場所・共有者 原稿と保存先
送信・公開 宛先や公開場所 最終本文・添付・日時
更新・削除 対象と復元方法 変更前後と件数
発注・決済 契約・金額・実行者 最終条件と支払先

承認を受けた後で宛先や本文を変えた場合は、同じ承認で実行しない設計にします。承認画面で見た版と、実際に使った版を照合できるようにします。

再試行による二重実行を防ぐ

外部サービスの応答が途切れても、処理が失敗したとは限りません。先に送信履歴や保存結果を確認し、成功か不明な場合は自動で繰り返さず保留にします。実行IDと対象を記録し、同じIDを二度処理しない方法を実装側で検討します。

例えば、営業メールなら「下書き完成」「最終版承認」「送信開始」「送信確認」「結果不明」を別の状態として扱います。下書きが直っただけで、送信が承認された状態へ進めません。

止める人と例外時の動きを決める

管理者が連携や実行を停止できることを確認します。例外が発生したからといって、AIが自分で権限を追加する運用にはしません。履歴には、実行内容、対象、許可した人、許可した版、時刻、結果を残します。

承認画面と、実際の操作が一致するかを試す

「送ってよいとAIが判断した」という出力を、システムの実行許可にしない設計が必要です。操作を行う側で、利用者、対象、許可した版、実行できる範囲を確かめます。OWASPも、権限の確認をLLMの判断だけに頼らず、連携先で実施することを勧めています。OWASPの権限と認可の説明

試験条件 期待する動き
承認した本文の宛先だけ変更した 承認済みとして実行せず、変更を再確認する
添付が承認後に差し替わった 確認した版と違うことを検出する
同じ実行が二つ同時に来た 実装側で重複を防ぎ、結果を照合する
実行途中で利用権限が失効した 処理時点の権限を確かめ、許可されない操作を止める
送信後の応答だけ届かない 結果不明とし、履歴確認前に再送しない

一覧は必要な試験の例で、すべての製品がこの制御を備えるという意味ではありません。利用する接続機能で実現できるかを確認し、できない場合は人が実行する範囲を残します。

最初は読む処理と下書きまでを試し、外部に影響する操作を増やす際に、実際の業務シナリオで確認します。対象となる操作を書き出してAI業務フローを相談してください。必要な権限と、人が判断する箇所を工程別に整理できます。

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