マーケティング業務の棚卸しでは、最近実施した施策を一つ選び、素材を受け取ってから営業へ引き継ぐまでを一行ずつ書きます。施策名を並べるだけでは見えない「誰の、何の待ち時間で止まるか」を見つけるためです。
ここでは、記事・LP・受付・営業の引継ぎを記入する表を作ります。支援職種の説明や組織全体の設計ではなく、手元の一施策を最後までたどる作業に絞ります。
直近の一施策と、証拠になる資料を選ぶ
たとえば先月公開したサービス紹介記事を選び、企画メモ、確認済み原稿、公開URL、問い合わせ記録、営業への引継ぎを開きます。新しいツールを導入する前に、今ある資料で確認できる範囲から始めます。
資料が見つからない段階も、そのまま記入します。「計測していない」と「問い合わせがなかった」は別の状態です。
コピーして使える棚卸し表
| 工程 | 入力と置き場所 | 作業と成果物 | 実施担当 | 判断者 | 次に渡す相手 | 止まった理由・待ち時間 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 企画 | 相談時の質問メモ | 読者の問いを決める | 記入 | 記入 | 編集担当 | 記入 |
| 制作 | 現行サービス資料 | 記事原稿を作る | 記入 | 記入 | 確認担当 | 記入 |
| 確認 | 原稿と根拠資料 | 事実と掲載範囲を確定する | 記入 | 記入 | 公開担当 | 記入 |
| 公開 | 確認済みの原稿版 | 記事とLP導線を表示する | 記入 | 記入 | 受付担当 | 記入 |
| 受付 | フォームの保存記録 | 相談内容と次の確認を整理する | 記入 | 記入 | 営業担当 | 記入 |
| 振り返り | 相談で出た質問 | 記事へ戻す改善点を決める | 記入 | 記入 | 編集担当 | 記入 |
会社の役職名だけでなく、担当者を特定できる形にします。同じ人が実施と判断を兼ねても構いません。未確定の担当は空欄として、誰が決めるかを確認します。
記入例から、待ち時間を一つ選ぶ
架空の例で、原稿作成は半日で終わり、料金の確認に二日かかっていたとします。さらにLPの料金表にも同じ確認待ちがあれば、記事の生成速度を上げる前に、現行の料金資料と確認担当を決める余地があります。
| 観測した状態 | 改善案 | 次の施策で確かめること |
|---|---|---|
| 料金確認で記事とLPが止まる | 料金の正本と確認担当を共通化する | 確認待ちの日数と差戻しの有無 |
| 受付内容が営業へ渡るまで止まる | 引継ぎに必要な項目と担当を決める | 保存から担当決定までの時間 |
| 同じ質問が毎回届く | 回答根拠を記事へ追記する | 質問内容と、追加で必要だった説明 |
日数は説明用の例で、標準値や削減見込みではありません。実際には、対象期間と記録で確かめられた時間を記入します。
AIにメモを表へ整理してもらう
あなたは業務整理の担当です。施策メモを棚卸し表にしてください。
入力:対象施策、企画から営業引継ぎまでの作業記録
出力:工程/入力と置き場所/作業と成果物/実施担当/判断者/次に渡す相手/待ち時間
記録に根拠がある担当と時間を転記し、不明欄には確認する相手または資料を示してください。
最後に、複数工程を止めている原因の候補を一つ、根拠とともに挙げてください。
担当者と効果の数値を推測で確定しないでください。
AIの表は、実際にその仕事をした担当者と照合します。「確認」とだけ書かれた行には、何を確かめる作業かを補うと、次回の引継ぎに使えます。
一つ直して、次の施策で確認する
最初から全工程を作り直す必要はありません。たとえば正本の置き場所と確認担当だけを決め、次の一施策で待ち時間と差戻しを記録します。変化がなければ、原因が別の工程にないか表へ戻って調べます。
記事数や投稿数と、受付・商談の進捗は別に残します。業務の分担から整理したい場合の対応範囲は、テクストのマーケティング支援で確認できます。
作業時間と待ち時間を分けて記入する
一施策に5日かかったとしても、その5日すべてを自動化で減らせるとは限りません。実際に手を動かした時間と、判断や素材を待った時間を別に記録します。
| 工程 | 架空の観測例 | 改善で確かめること |
|---|---|---|
| 素材整理 | 作業40分、素材待ち2日 | 必要素材を依頼時にそろえられるか |
| 本文作成 | 作業90分 | 下書きと人の修正を合わせて短くなるか |
| 確認 | 作業30分、判断待ち1日 | 判断者と根拠資料を早めに決められるか |
| 公開確認 | 作業20分 | 本文・リンク・表示の確認漏れがないか |
この例の作業時間は180分ですが、待ち時間をそのまま人件費削減へ換算しません。工程が並行している場合もあるため、各行の待ち時間を足した数値と、開始から完了までの期間は区別します。AIを試した後は同じ定義で記録し、作成時間が減って確認時間が増えていないかも見ます。
施策を増やしても確認待ちや引継ぎで止まる場合は、いま回している施策を一つお知らせください。担当と作業の流れを整理し、改善する箇所を検討します。 マーケティング業務の整理を相談