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GUIDE 67 / 導入・費用

AI導入の稟議書の書き方|費用・試行範囲・判断日を1枚にまとめる

AI導入の稟議に必要な目的・対象・費用・評価・判断日を整理。実測と効果の仮説を分け、試行を決裁するための1枚を作る方法を説明します。

制作にAIを使用。具体例・計算例は説明用です。公開日:2026-09-20

AI導入の稟議では、便利な機能を並べるより、今回何にお金を使い、いつ継続を判断するかを説明します。決裁する人が知りたいのは、導入の賛否だけでなく、試した後にどんな判断ができるようになるかです。

ここでは、本導入を一度に決めるのではなく、一つの業務を試すための稟議を想定します。金額や社内の決裁区分は、会社の実際の制度に合わせてください。

最初の段落に、現在の困りごとを書く

「生成AIで生産性を向上する」では、担当者によって目的の解釈が変わります。「商談後のメモ整理に時間がかかり、次の作業の確認が翌日になる。整理の下書きを試し、確認を含む所要時間を測る」と書けば、対象と評価方法がつながります。

困りごとの根拠は、担当者への聞き取りか実測かも区別します。まだ測っていない時間を、確定した削減余地として提示しないことが大切です。

1枚に入れる項目

項目 記入例・確認する内容
対象業務 商談メモから社内の対応表を作る工程
今回の範囲 下書きと確認。顧客への送信は含めない
材料と管理者 利用を認めた商談メモ、現行資料、確認担当者
費用 外注見積、AI利用料、社内準備・確認に使う時間
評価 確認込みの時間、事実の誤り、修正の内容
終了時の判断 継続、対象を縮小して再試行、停止
判断日・判断者 実際の日付と決裁できる担当者

この表は記入の例です。自社の情報を入れないまま、そのまま稟議として提出するものではありません。

記入済みの稟議例

以下は架空の会社が「商談後の社内対応表」を試す場合の記入例です。判断日と会社の決裁様式は実際のものへ置き換えます。

欄 本文の見本
申請内容 全38業務を利用できる標準運用を導入し、商談メモを対応表へ整理する業務など代表3業務から受入・効果測定を進める
背景 担当者から、次の作業を整理する負担があるとの申告。所要時間は開始前に計測する
支出案 標準運用は初期298,000円+月98,000円、初回3ヶ月の支援料合計592,000円(税抜)。月額は受入・周知後に開始。プラン変更時の追加初期費は0円で、変更後の月額を適用する。AIサブスク・基盤実費等は別途見込む
社内分担 営業責任者が資料と出力を確認し、管理担当が利用する情報の範囲を決める
判定材料 同じ種類のメモで、確認込みの時間・誤記・修正内容を開始前後に記録する
最終判断 初回3か月の契約条件を前提に運用を評価し、その後の継続・変更・終了を責任者が判断する。社内の試行終了と契約上の期間を混同しない

見積もりを受けたら、費用欄へAI利用料と社内準備の予定を追記し、未確定費用の扱いを社内の承認者に確認します。支援料だけが埋まった段階では、総予算が確定したことにはなりません。

効果の仮説を、実績と分ける

仮に1件20分の整理が月30件あれば、現状は月10時間です。試行後に確認を含め12分になった場合、差は月4時間です。ただし、これは計算例であり、AI導入で必ず得られる効果ではありません。初期の資料整理や研修の時間は、この差とは別に記録します。

また、浮いた時間がそのまま給与の削減や売上増になるとは限りません。提案準備へ振り向けるなど、余力の使い道まで書くと、業務上の意味を説明できます。

決まっていないことは、試行の確認項目にする

利用人数や月間処理数が不明なら、想定範囲と上限の確認方法を書きます。社内資料を利用できる環境がまだ決まっていないなら、架空素材での確認から始めるなど、試行条件を狭めます。

効果が不明なこと自体より、「不明なまま追加費用が発生する」「誰が継続を決めるか分からない」ことを避ける設計が必要です。予算を超える場合の相談先も明記します。

AIで文章を整えるときの指示

あなたは稟議文の編集担当です。稟議メモと見積書を使い、試行の申請文を作ってください。
出力は目的/対象と除外範囲/費用/社内分担/評価/判断日と判断者の順にします。
実測、担当者の見立て、未確認が分かるように書き、不足は本文外の確認表へまとめてください。
金額・効果・担当者・日付は入力にある情報だけを使ってください。

最後に、見積もりと稟議の対象範囲が一致しているかを読み合わせます。費用や進行の基本はAI導入支援の費用と進め方で確認できます。

稟議で求める判断を、一つの試行に絞る

「全社にAIを導入したい」では、承認する範囲が広すぎます。最初の稟議には、対象業務、試す期間、費用の上限、使う情報、評価する指標、中止条件を並べます。

例えば「営業担当の商談記録整理を試す」なら、顧客情報をどう扱い、誰が生成結果を確認し、記録の正確さと作業時間をどう比べるかを説明します。月額利用料だけでなく、設定・研修・確認に使う社内時間も見積もります。

承認欄は「試行を認める」「継続利用を認める」「社外への送信を認める」など、今回判断する範囲を明示します。試行の承認を、そのまま自動送信や全社展開の承認に読み替えないことが、後の手戻りを減らします。

自社の条件を入れる稟議テンプレート

前の記入例は当社の支援を検討する一例です。次の空欄版なら、内製で試す場合や別の支援案を比較する場合にも使えます。実際の社内様式と決裁区分に合わせてください。

件名:[対象業務]へのAI利用に関する申請
今回求める判断:検証の実施/契約/運用開始/その他[ ]
現状の課題:[記録・聞き取りの根拠と対象期間]
対象と完成物:[ ]
含めない操作・利用範囲:[ ]
使用する情報と、その利用可否の確認担当:[ ]
費用:初期[ ]円、月次[ ]円×[ ]か月、別費用[ ]
社内の予定時間:準備[ ]、確認[ ]、運用[ ]
未確定費用・追加発生時の決裁:[ ]
契約期間・支払条件・変更/終了の確認先:[ ]
比較する指標:確認を含む時間/重要な誤り/採用件数
継続条件:[自社が事前に決める基準]
修正して再試行する条件:[ ]
中止・保留の条件:[ ]
判断日・判断者・次に残す成果物:[ ]

例えば「対象外の情報を入力してしまう」「確認担当を確保できない」という状態なら、性能の良し悪し以前に利用条件の見直しが必要です。中止や保留の条件を、期待する短縮時間と別に書いておくと、判断の理由を残せます。

最初の申請で本運用まで承認してもらう必要がありますか?

社内制度と契約範囲に合わせます。検証だけの申請なら、本契約や継続利用まで自動承認されたと扱いません。一方、初回3か月の契約を結ぶ申請なら、その契約額と期間を支出案に明記し、社内の試行終了だけで支払義務がなくなるような書き方は避けます。

費用の根拠は予算表、比較条件は効果測定の記録表へ添付・参照できる形で整理します。

社内説明に必要な費用や分担が定まらない場合は、稟議の確認項目を用意して導入範囲・見積もりの相談へ進めます。入力する資料は社外共有できる範囲に整理してください。

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